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音楽関係のまとめや考察

数あるワンオクのアルバムの中で、私が『人生×僕=』を名盤と呼ぶ理由<アルバム・レビュー>

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常に高い完成度を誇る「ONE OK ROCK」のアルバムの中でも、名盤との呼び声の高い6thアルバム『人生×僕=』。今作品はアジアツアーなどの経験を糧に制作され、前作『残響リファレンス』の世界観をより高めた内容となっている。筆者もお気に入りのアルバムなので、今更感満載のレビューをしてみようと思う!!

目次

人生x僕= (通常盤)

 

 『人生×僕=』に込められた強い意志

前作『残響リファレンス』のなんとなくカッコイイ響きからすると、今作『人生×僕=』は何の予備知識もない状態では、ジンセイ、カケル、ボク、イコールと読んでしまい何のことだかサッパリなタイトルである。

 

正式な読み方は「ジンセイカケテボクハ」で、=は「ハ」的なニュアンスらしく、なんか過去作品のタイトルと比べると若干のダサさを感じてしまう。

 

その辺に関してはTAKA本人もインタビューで「ちょっとダサいですけど」と発言しており、しっかりと自覚をしているようだ。しかし、そんな「ダサめ」のタイトルにも、ワンオクとしての強い意志がしっかりと込められている。

 

Taka 音楽とONE OK ROCKと歌。それを人生賭けてやったときに、この方程式で導き出される答えを、僕が死ぬまでの間に、もっと大きいものにしたいって思ったんです。その意思表示がこのアルバムなんですよ。

引用URLONE OK ROCK「人生×僕=」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

 

上記で記載されているように、今作『人生×僕=』のタイトルには、音楽やONE OK ROCKとしての活動に、人生を賭けて臨むという強い決意が込められている。そういった「青臭い」発言も、輝かしい実績を残している彼らだからこそ説得力があり、多くのファンたちが受け入れ支持し続けているのだろう。

アリーナロックを意識した壮大な楽曲 

 

Takaさん(@10969taka)がシェアした投稿 -

結成から約8年。駆け足でシーンを上り詰め、 常に進化を続けるONE OK ROCK。今作品の楽曲制作にあたってはツアー会場となる大型収容施設「アリーナ」を意識されており、過去作品と比べライブ映えする壮大な作品が多い。

 

そういった「壮大さ」は、前作『残響リファレンス』からも意識されているが、今作『人生×僕=』では、さらに「わかりやすいカッコ良さ」が追求されており、普段ロックを聴かない一般リスナーにも支持されONE OK ROCKの支持層を大きく広げる結果となった。

『人生×僕=』収録曲やタイアップについて

01. Introduction~Where idiot should go~
02. Ending Story??
03. ONION!
04. The Beginning  映画「るろうに剣心」主題歌
05. Clock Strikes
06. Be the light
07. Nothing Helps  ゲームソフト「DmC Devil May Cry」イメージソング

08. Juvenile
09. All Mine
10. Smiling down
11. Deeper Deeper 「SUZUKI SWIFT」  CMソング
12. 69
13. the same as... 映画「グッモーエビアン」主題歌

 

以上、13曲が収録されており、内4曲が映画やCMなどのタイアップ曲となっている。

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『人生×僕=』感想

 サイレンにも似た機械音から始まるイントロ曲「 Introduction~Where idiot should go~」は、ストリングスを中心としたオーケストラ風のシリアスな展開。これから始まる壮大な物語の始まりを連想させる。そして、囁くような歌いまわしから、ワンオクらしい爆発力あるサウンドを聴かせてくれる「Ending Story??」に続いていくのだ。

 

毎度毎度のことではあるが、イントロ→2曲目の流れは、どこまでもライブ感が意識されており、一瞬にして彼らの世界観に陶酔させられる。

 

さらに、以前に増して英詩の割合が増えており、まるで洋楽を聴いているかのような錯覚にすら襲われる。それも高品質な洋楽。それでいて完成形と言われる大御所アーティストのサウンドではなく、シーンの発展系のサウンドである。

 

ここまで目まぐるしく音楽性が進化し続けるバンドも国内では珍しく、現代に生きる若いバンド特有の流動感がビシバシとオッサンリスナーの筆者にも伝わってくるのだ。

 

そして、今作『人生×僕=』には一分の隙きも存在していない事を3曲目の「ONION!」で痛感させられる。衝動的なロックサウンドに「ワンオクらしい」英詞と日本語詞が混ざりあった歌いまわし、シンプルながら跳ねるようなパワフルな展開、それでいて単調さを感じさせないアレンジ。もう、どこを聴いても微塵の隙も見当たらない。とにかく完璧だ。そんな考えをより実感させてくれるのが「The Beginning」なのではないだろうか?

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映画の主題歌としても起用された同楽曲は、パワフルなリズムを支えるTomoyaとRyota、堅実なプレイでサウンドに彩りを与えるToru、圧倒的な歌唱力で楽曲の世界観をより鮮明に表現するTAKA、そんなメンバーの持ち味を最大限まで引き出したワンオクの名曲である。

 

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ここまでは視覚聴覚共に「カッコイイ」曲が続いていたが、続く「Clock Strikes」では強いメッセージ性が込められた、これまた「ワンオクらしい」魅力的なサウンドを聴かせてくれる。歌詞の感じ的には「時の流れや、友人」を連想させる内容となっている。

 

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ミュージシャンとは常に人々に希望を与え続ける。そんなイメージを見事なまでに体現しているのが「 Be the light」だ。日本に訪れた未曾有の災害。被災した方々に「光」を与えるべく作られた今曲は、深みある歌詞が魅力の美しいバラード曲だ。

 

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ゲームのイメージソングとして起用された「Nothing Helps」では、世界観とマッチしたシリアスかつ攻撃的なサウンドを聴かせてくれる。ハードなゲーム性とマッチした映画的なサウンドは、一聴すれば本能的にカッコ良さを理解できるはず!!攻撃的と言えば続く「Juvenile」でも感じられるが、コチラの楽曲は内に秘めた衝動的な自問自答がテーマとされており、フラストレーションのような爆発力を持ったナンバーとなっている。一言に「攻撃的」と言っても様々なアプローチを仕掛けてくるのがONE OK ROCKである。

 

ゴリゴリのロックナンバーが2曲続いたが、ここで一休み。「 All Mine」ではピアノの伴奏にTAKAの美しい歌声が乗せられた美しいバラードを披露してくれる。先に紹介した「 Be the light」とはまた違う、繊細ながらも力強い歌声にヤラれてしまった人も多いはずだ。こういった表現力の幅広さが支持層の拡大に繋がっているのだろう。

 

そして、先程の「 All Mine」にはなかったロックの要素を加えた楽曲が「Smiling down」だ。ピアノの伴奏に衝動的なロックサウンドが見事に調和し、より悲壮感が強まっている。

 

今作ではミックスエンジニアのジョン・フェルドマンが楽曲制作に加わっている。それらはONE OK ROCKがさらなる高みに挑むための行動であり、世界で戦うための戦略だ。とは言え、彼ら自身も初めての試みだったためミックスを他人に任す不安があったようだ。だが、そんな彼らの不安を一蹴したのが「Deeper Deeper」のミックスを聴いた時だったとのこと。

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デジタルサウンドの導入に関しては以前から行われていたが、あくまでそれは前奏や間奏などの極一部に限られていた。しかし、今作『人生×僕=』では、そういった「しがらみ」に因われることなく、様々な楽器や機械音が用いられた新たなアプローチが行われている。ある意味、殻を破ったとも言っていいだろう。そんな柔軟性を一番感じさせてくれたのが「Deeper Deeper」である。

 

元々はツインギターで活動していたONE OK ROCK。ギターのアレックス脱退後のアルバム『Nicheシンドローム』では、やはりオケのシンプルさを指摘する声も上がっていた。

 

そういった問題点に対しては、TAKAを前面に押し出した楽曲と、バンドとしてグルーヴ感を高めることで前作は乗り越えることができたのだが、やはりバンドとしてより上を目指すためには、TAKAの歌唱力をより引き立てるバンド・サウンドとしての彩りが必要だったのだ。

 

そういった不足要素を補う試みを行ったのが、今曲なのではないだろうかと筆者は考えている。

 

それらに対する確実な手応えを感じたからこそ、決意表明にも似たアルバムタイトルを付けたのだろう。

 

そしてそんな強い意志に対するアンサーソングが「69」である。今楽曲には、彼らのバンドへのスタンス、ファンへの思いが全て込められている。

 

ここまで12曲。レビューをするため改めて聴き直した『人生×僕=』は、相当数聴いている作品なのだが、何度聴いても濃厚かつライブ映えするスケール感のデカい楽曲群に度肝を抜かされる。

 

そんな名盤の最後に収録されている「the same as...」は筆者が一番好きな曲だ。

 

暖かみのある歌詞とエモーショナルな感情が混ざりあった今楽曲があるからこそ、今作は「表面的にカッコイイ」だけの作品にならなかったと思う。

 

今作に収録されているアリーナを意識した壮大な楽曲は、確かに完成度も高くライブ映えする内容となっている。だが、そういった楽曲だけでは、彼らの人間味が伝わってこず、流行的な消耗品のような音楽になってしまうのではないだろうか?

 

そんな不安を払拭してくれたのが筆者にとっては「the same as...」だったのだ。

 

以上のような絶妙なバランスが取られているからこそ、筆者は今作『人生×僕=』をワンオクの名盤と評価するのである。

人生x僕=(初回盤)(DVD付)

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