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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

「Crossfaith」って人気バンドのポジションにいる割にパッとしないイメージが強い話

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 ここ数年で「スクールカースト」なんて言葉を耳にする機会が増えた。簡単に言えば生徒間の序列を意味している言葉らしく、学校という小さな社会を舞台に生徒同士の順位付けが行われているようだ。

 

 こういった話はけっして珍しいものではなく、ある程度の人間が集まれば当然のように起きうる事例である。

 

「そんなもん気にしねーし!!」なんて考える人達も多いとは思うけど、何故かこういった序列っていつの間に出来上がってしまっているもんなんです。本能的に周囲の人間を自らと比較して、順位付けしてしまうことが原因なのでしょうか?

 

 その辺の分析はプロの人達にまかせるとして、やっぱり「カースト」の頂点のグループは何かしら「イケている人達」が集まっているイメージ。漫画で言えば『花より団子』の「F4」みたいな方々でしょうか?しかしながら、そういった上位のイケているグループにも当然のように序列が存在しており、平等なようで明確な順位付が行われているぽいのです。

 

F4のトップが道明寺みたいなもんですね。

 

 本日は日本国内の若手ロックバンド・カーストの頂点グループに所属しているにも関わらず、いまいちパッとしないラウド・ロックバンド「Crossfaith」について書かせていただこう。

 

目次

 

 

俺たち花のゼロ世代組 

ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR 公式グッズ 会場限定CD「Skyfall」

日本国内ではあまり馴染みなかったジャンルである「ラウド・ロック」。そんなマイナージャンルが2000年以降に多くのリスナーから支持されるなんて筆者は夢にも思ってもいなかった。そんなラウド・ロック人気に火を付けた華々しいバンド達を、メディアではラウドロックのゼロ世代なんて呼び方をしている。

 

 彼らのバンドスタイルは2000年代以前に存在していたラウドバンドとは一線を画すものであった。激しいだけではないメロディアスでキャッチーな楽曲。ファッショナブルでスタイリッシュなヴィジュアル。作り込まれたバンドとしての世界感。どれを取っても過去に存在していたラウドバンド達とはひと味もふた味も違う魅力的なものであったのだ。

 

 そして、そんなシーンのキーマンと言われているバンドが「ONE OK ROCK」である。本日のバンド紹介の流れ的に「Crossfaith」ではないのか!!なんて考える方も多いと思いますが、この辺に関しては「ワンオク」あってのシーンの盛り上がりと言っても過言ではない。90年代の海外スクリーモバンドを彷彿とさせるハードかつキャッチーな楽曲、メンバーの優れたヴィジュアルは瞬く間に若者たちに支持され、人気バンドへの階段を駆け上がったのだ。

 

 そんな彼らと下積み時代からシーンを支え、拡大させてきたてきたバンド達が「Crossfaith」「Coldrain」「SiM」であり、2000年代以降に登場したロックバンド・カーストの頂点に君臨する存在達なのだ。ワンオクの限定シングル『Skyfall』で4バンドのボーカルがコラボした話は有名ですよね。

 

ゼロ世代を代表するバンド達

  ゼロ世代を代表するバンドメンバーが揃い踏みの豪華な1枚。残念なことにSiMのメンバーは不在となってしまっているが、現在のシーンを形成した「盟友達」の絆が写し出されている。こちらの写真に関しては「Crossfaith」のボーカル“Koieさん”の顔がデカさがやや目立って見えるが、どのバンドも今ではシーンを代表する人気バンドとなっており、国内でも確固たる地位に君臨している一流バンド皆様なのだ。しかしながら、そんな一流バンド達の中にも確かな序列が存在している。

 

 まず「ONE OK ROCK」「SiM」「Coldrain」「Crossfaith」を若者たちのロックバンド・カーストに当てはめた場合、当然、皆トップグループに属しており、非常に華々しい存在であることは間違いない。だが、トップグループの中での序列を考えた場合、「Crossfaith」はややパッとしないイメージを筆者は持ってしまう。詳しくは後述させていただくが、個人的な印象としてはこちらのグループの序列は、トップに「ワンオク」次に「SiM」「Coldrain」「Crossfaith」って順番が国内では一般的なのではないだろうか?

 

 それでは一流バンドのはずなのにパッとしない「Crossfaith」について考えてみよう。

国内では「Crossfaith」の海外の評価が加味されていない 

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 「Crossfaithってバンドは海外ではワンオクよりも評価されているんだよ!!」なんて信者の皆さんがどれだけ声をあげようと、国内の音楽リスナーにとっては「わ~凄いんだね〜」程度の意味しか持っていない。あるとすれば「現在海外でブレイク中の日本人バンド」なんてメディアに紹介され露出の機会が一時的に増える程度である。

 

 そのため、そこまでバンドに興味のない皆さんからすると、「Crossfaith」ってバンドは「ワンオクとかと仲のいいバンドですよね」程度の認識しかなく、日本国内でしっかりと基盤を作ってから海外活動をしているONE OK ROCKにばかり注目が集まるのは当然のこと。

 

 しかしながら、実際は数年も前から海外のフェスなどのメインステージでパフォーマンスをおこなっている「Crossfaith」の方がワールドワイドな基準で評価した場合は圧倒的に序列は上なのではないだろうか。

 

 上の動画は2014年に開催されたイギリスの伝統的なフェス「ダウンロード・フェスティバル」に出演した際のものである。同年には「VAMPS」や「Coldrain」などのバンドも出演をしているが、メインステージでパフォーマンスを行ったのは「Crossfaith」だけなのだ。

 

 2016年には国内ロックバンド・カーストの頂点「ONE OK ROCK」が出演するも、小規模なサブステージでの演奏となっている。フェスの音楽性がワンオクよりもCrossfaith寄りだった事もあるが、ロックの本場の評価としてはCrossfaithの方が高いのは明白である。

 

 そういった海外の評価を加味すると、本来あるべきバンドとしてのカーストはCrossfaith、ONE OK ROCK、Coldrain、SiMという順番になるのだろうが、国内リスナーからの批判は必至。イキったSiMファンにWOD(ウォールオブデス)をかまされる可能性も高い。

 

 とはいえ、耳の肥えた海外リスナーすら虜にするCrossfaithの楽曲が国内では何故、そこまで支持されないのかを考えてみよう。結局はメンバーの顔なのだろうか・・・。

 

本格的過ぎる楽曲が国内リスナーには受け辛い

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 よくよく考えてみると「ゼロ世代」なんて括りでまとめられているが、なんだかんだバンドによって音楽性は様々である。

 

 ONE OK ROCKはスクリーモ的な激しさはあるが、決してラウド・ロックって感じでもないし、Coldrainは演奏はゴリゴリ系ながら歌メロはドラマチックでメロウに決め。SiMも前奏や間奏は激しめのメタコア風ながら、基本的な進行はメロディの強い歌もの。こうして改めて比較してみると、過去に存在していたラウドバンドとの明確な違いは、幅広いリスナーに受け入れられるキャッチーな部分なのではないだろうか。

 

 ところがどっこい我らがCrossfaith至っては、エレクトロ・サウンドなどを導入しEDM感を出すようなキャッチーさはありつつも、楽曲の基盤自体はゴリゴリのラウド・ロック。本当にあなた達はゼロ世代のバンドなの!?って疑いたくなるような作品が多い。例えるなら、スクールカーストの頂点に君臨する「ちょいヤンキー風」の兄ちゃんグループの中に、パンチパーマの旧時代の番長が所属しているイメージである。

 

 そう。彼らの楽曲は本格的すぎるのだ。本格的とはなんぞやか説明させていただくと、海外市場をどれだけ意識しているかって部分である。それらが海外での評価につながっている可能性もあるが、海外リスナーを意識すればする程、Crossfaithのようなジャンルは国内でマイナー化していってしまうだろう。

 

 それなのに何故、ONE OK ROCKやColdrainは国内での支持を集めながら、海外での展開を両立させることが出来るのだろうか。彼らは海外での活動を意識した楽曲制作を行っているが、それはここ数年の話あり、メジャーデビュー当初はラウドなサウンドながらも、国内リスナーに受け入れられやすい楽曲で国内の基盤を固めていった。そこから徐々にマイナーチェンジを重ね、海外でも通用する音へと生まれ変わっていったのだ。

 

 だがCrossfaithに限っては、そういった基盤の構築を行う間も無く海外で評価されてしまったため、楽曲の軌道修正が難しかったのではないだろうか?海外での評価を気にすれば国内での評価が上がり辛く、国内を優先すれば海外での評価が下がってしまう。非常に難しい状況である。擦り寄り方を間違えると最悪の場合、国内からも海外からも評価されない状況だってあったかもしれない。

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 でも、ここ最近の楽曲はハードながらもキャッチーさを兼ね備えつつあり、国内リスナーにも優しい感じになっている。もしかしたら、そろそろ何かしらの新しいタイアップなどの可能性もあるかもしれない。今までの彼らの楽曲ってタイアップには使い難い曲が多かったし。

Crossfaithって女性ファン少なくない?

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 YOUTUBEのCrossfaith公式チャンネルにアップされている幕張公演の動画を見て頂きたい。濁流のように押し寄せる轟音とボーカルKoieの荒々しい煽り文句が場内に響き渡り、フロア全体が狂気の渦に飲み込まれていく。

 

 何という熱量。Koieが叫べばオーディエンスも負けじと声を上げる。素晴らしい一体感である。あれ。でもなんかおかしいぞ?他のバンドのライブであれば女性の叫び声も必ず聞こえてくるはずなのだが、今回のCrossfaithライブでは雄々しい男性たちの絶叫ばかり聞こえてくる。メンズデーなのでしょうか?いや、そんなことはない。皆さんお気づきの通り、彼らのファン層の大半は男性リスナーで構成されているのだ。

 

 とはいえ、国内でもトップグループに属するバンドであるので、ある程度の女性ファンは獲得しているのだが、ワンオクやSiM、Coldrainなどと比較すると女性ファンの比率は少なく、Crossfaithの潜在的な購買層の母数は少なくなっていると思われる。そういった状況は国内のバンド人気の基盤を構築するうえで非常に厄介な問題であり、バンドにとっては死活問題でもある。

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 女性リスナーを取り込みたい理由としてはいくつあるのだが、まず単純に男女両方のリスナーから支持を集められた方がリスナーの母数が単純に多いからである。仮にリスナーの男女比が半々だった場合、男性リスナーからどれだけ支持を集めようが、最大値の半分しか購買層にすることが出来ないのだ。そのへんはColdrainは上手に運営できている。ラウドでヘヴィな楽曲ながら女性層の取り込みも十分出来ておりCrossfaithよりも幅広い層にアプローチすることが出来ているのだ。

 

 そして2つ目の理由は、売れる男性バンドの大半が多くの女性リスナーを抱えていることである。単純に先程のリスナーの母数の問題もあるのだが、男性バンドの熱烈的なファンの大半は女性である。こういった考えにはアイドル的なバンド要素も重要になってしまうのだが、Crossfaithに至ってはどう考えても男性向けのバンドで、多くの女性リスナーを抱えられる雰囲気はない。一時期問題になったワンオクファンの海外遠征追っかけ問題。そういった行動をするのも熱心な女性ファンが大半である。

 

このような支持層の偏りが、イケてるバンドグループに所属しているにも関わらず、Crossfaithがイマイチパッとしない理由の1つで有ると思う。

 

実力、実績ともに素晴らしいCrossfaithのパッとしない理由は話題性

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 ここまで色々とCrossfaithのパッとしない理由について考えてみたのだが、実力、実績とも素晴らしいものである。しかしながら、ONE OK ROCKやSiM、Coldrainなどと比較するといまいちパッとしない理由は、日常生活でCrossfaithの話題が上がることが少ないからかもしれない。CMやアニメのタイアップで名前を聴くこともなければ、イケメンなどと話題に上がることもない。そのためSNSなどで彼らの話題がバズることもなく、目に触れることも少ないため、潜在的に実力の割にパッとしないバンドなどと思いこんでしまっていたのかもしれない。人気バンドを構成する要素として音楽のクオリティだけではなく、話題性という部分も大きなウェイトを占めているということなのだろう。

 

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