2005年に発表された1stアルバム『#4』から10年以上の月日が流れ、世間の皆様も彼らの音楽性や存在に「耐性」も付いた頃だとは思うのだが、なんともクセの強い彼らの楽曲はいまだに「好き」「嫌い」の評価がスパッと別れてしまっている。
例えば日本人の大好きな「コーラ」だって、発売当初は「こんなもん飲めるか!!」と世間に受け入れられなかったのに、数年後には「ツイストを踊りながらコーラでも飲もうぜ!」なんて言うような売国奴が大量発生するくらいの市民権を得ている。
しかし、“凛として時雨”に関してはデビュー以来10年以上の月日が流れた現在でも、好きか嫌いかの両極端な評価しか存在していない。
色々と御託を並べてみたが本日伝えたいことは、「オイラのオススメする凛として時雨でも聞きながらダンシングしようぜ!」ってことである。
目次
凛として時雨の「クセの強さ」
TKの甲高い歌声のクセが強くオススメしにくい
動画を見てもらえばわかるとおり、TKの甲高い歌声は好みが別れやすい。筆者も友人達にオススメめのバンドとして幾度となく紹介してきたが、聞き出してすぐに「ヴォーカル声高すぎ(笑)」となってしまう。しかし!そこさえ乗り越えてしまえば、そのクセが強い中毒性を持つようになり、TKの歌声でなければ絶対に満足できない身体になってしまうのだ。
そんな凛として時雨と筆者が出会ったのは今から数年前だったと思う。筆者が当時ハマっていたバンドの動画を見るためにYOUTUBEで検索していると、関連動画なるスペースに“凛として時雨”が登場したのだ。興味を引かれた筆者は早速動画を再生してみることにした。
曲名は「CRAZY感情STYLE」
うん。こいつら言語感覚も狂ってるんだな。
MY FIRST STORYの「最終回STORY」なんて可愛らしいもんだ。
意味不明な「言葉」
凛として時雨を語るうえで絶対に外せないのが独特な「言葉遊び」である。聞こえの良い言葉で表してみたが、簡単に言えば「意味不明な言葉」が題名として使用されている。そんな難解な言葉たちを幾つか紹介しよう。
ちなみに上記写真に写っている、結成当初のステッカーには「鋭角殺人トリオ 狂器:プログレ 凛として時雨です」と書かれている。意味は不明だ。
中野って誰だ?と思われ方も多いと思うが、凛として時雨のドラムを担当している“ピエール中野”のことをだと思う。歌詞の内容から察するに「ピエール中野のドラムは人すら殺すんだぞ」みたいな感じであり、メンバー対する愛情が伝わってくる作品。
歌詞を見ると何となく気持ちは伝わってくるよ・・・うん。理解はできないけど。
でも、この曲がオススメかもしれない。なんでだろう。って複雑な気分になる歌詞。
昔、国語の先生が言っていた「作文の題名は内容がわかるものにしましょうね」って遠い記憶が甦る。当時の筆者には「CRAZY課長さん」って聞こえたよ。
今回に関しては歌詞を読んでもよくわからなかったけど、“完全感覚Dreamer”的な感じってことだよね?
残念なことに最初に紹介した動画は、デビューから10年以上経っている“凛として時雨”なので、デビュー当時のような奇抜な歌詞はあまり見られなくなってきている。色々気にしなければ、とてもオススメのバンドだよ。
複雑な楽曲
今回紹介した楽曲「SOSOS」には、“凛として時雨”の特徴が全て詰まっていると言っても過言ではない。TKの得意とするシャープで変則的なギターリフとピエール中野の手数の多いドラミングに、345の粗暴なベース音が絡みあい、崩壊寸前の絶妙なグループ感を聴かせてくれる。イントロを聞いただけで「あ、時雨の新曲かな?」って気が付く個性的な時雨サウンドである。その辺は自信を持ってオススメできる。
Aメロでは定番の裏打ちパートに突入し、エフェクトの効いた空間的でダンシブルなリズムを聞かせてくれる。続くBメロでは345の張りのある歌声とTKの甲高い声が絡み合い、サビへと展開していく。ジャンル分けなどする必要のない“凛として時雨”唯一無二のサウンドである。
しかし、そんな個性も実はオススメし難い「クセ」を出してしまっている原因となってしまっている。いくつか箇条書きしてみよう。
- イントロが騒々しい。
確かに騒々しいが、ギリギリのラインでグループ感がある。3ピースでこれだけの音圧を出せるのは素晴らしいことだが、聞きなれない人からすると確かに騒々しい。
- 曲調がワンパターン
確かに今回紹介したような楽曲の多い凛として時雨だが、ここ最近ではメロディ重視の曲も多くなっており、好みに合わせた楽曲を選ぶことができる。無理な人は無理だと思うが・・・・
- 何を歌ってるかわからない。
確かにその通り!!元々、わかりにくい歌詞なのだが、歌い回しも聞き取りにくく「歌」ではなく「音」を聞いていると言った方が近い気がする。歌詞に共感したいと思っているような人には全く響かない楽曲が多い。
そんな時雨の楽曲の中には、演奏をやや抑え気味にしたメロディ重視の楽曲も存在するので、好き嫌いせず聞いてもらいたい。
まとめ
ちょっとばかしクセは強いが、慣れてしまえば中毒性の高い危険なバンド“凛として時雨”を本日オススメさせてもらった。
「オルタナ」や「ギターロック」などのジャンルの枠に収まらない、独創的な唯一無二のジャンル「時雨サウンド」を聴きながら、今宵は筆者と一緒にダンシングしようではないか。