2017年1月にリリースが決定した“ONE OK ROCK”のニュー・アルバム「Ambitions」。
前作の「35xxxv」から約2年ぶりとなる待望の新作発表に、多くのファン達が歓喜の声を上げている。さらに収録曲の発表やリード曲の先行配信なども行われ、今作の全貌も大分明らかになった。そんな中、筆者が少しばかり感じた“ONE OK ROCK”の今後について記事にしてみよう。
目次
1. ニュー・アルバム「Ambitions」から感じた印象
当ブログの掲載記事を見てもらえばわかるように、筆者は“ONE OK ROCK”が大好きだ。そして新作「Ambitions」にも当然期待をしている。そんな気持ちを抱きながらも感じてしまった「ワンオク」の終わりについて個人的意見をまとめてみよう。
1−1.ニュー・アルバム「Ambitions」について
今作「Ambitions」で注目すべき点と言ったら、レーベル移籍後のサウンド面での変化ではないだろうか?
2015年にアメリカのレコード会社「ワーナー・ブラザーズ・レコード」と契約し、翌2016年には傘下レーベルの「Fueled By Ramen」に移籍した“ONE OK ROCK”。それらは、より世界のPOPカルチャーを意識した楽曲制作と世界展開を進める準備と言って過言ではない。だからこそ、今作の「サウンド」には注目が集まっている。
1−2.収録曲で感じた音楽性の変化
ここでは、ニュー・アルバム「Ambitions」に収録される楽曲の中で、先行配信されている作品から感じた「サウンド」面の変化をお伝えしよう。
- Ambitions – Introduction –
- Bombs away
- Taking Off 配信楽曲
- We are
- 20/20
- Always coming back 配信楽曲
- Bedroom Warfare 2016年11月18日配信開始
- Lost in Tonight
- I was King
- Listen (featuring Avril Lavigne)
- One Way Ticket
- Bon Voyage
- Start Again
- Take what you want (featuring 5 Seconds of Summer)
収録曲は14曲となっており、そのうち「Always coming back」「Taking Off」「Bedroom Warfare」の3曲が先行配信されている。
これらの楽曲は「35xxxv」収録曲と比較しても「Fueled By Ramen」テイストが意識されており、海外の若者をターゲットとした印象が強い。
特に「Bedroom Warfare」のようなバンドサウンドとデジタルサウンドが融合したエモ・ポップロックは、過去作品には見られない独自の質感となっている。
もしかすると「Always coming back」の制作段階で「Fueled By Ramen」と何かしらのやり取りがあった可能性もある。
上記部分を見ていると海外を主としたアプローチが強い印象を受ける“ONE OK ROCK”だが、国内へのプロモーションにも当然余念がない。
「Always coming back」ではNTTドコモのCMに起用され、メディアへの露出が少ない“ONE OK ROCK”の存在をより一般層にまで広め。さらに、映画「ミュージアム」の主題歌となった「Taking Off」では、久々の新曲として大いに話題を集めた。
しかしながら、前作「35xxxv」でロックサウンドの王道を歩いていた彼らが、なぜ今作のようなサウンド面でのマイナーチェンジを行ったのだろうか?
2.「35xxxv」で見誤った世界基準
前作ではロックの王道的なサウンドを聞かせてくれたONE OK ROCKが、今作ではエモ・ポップロックにマイナーチェンジしているので、筆者の思うところを記載してみた。
2−1.海外での活動や狙いが間違っていた
過去に海外でのツアーやフェスへの出演が度々話題となる彼らだが、全ての活動が彼らにマッチしていた訳ではない。特に「KNOTFEST」や「Download Festival」では出演アーティストを見てもらえばわかる通り「ラウド・ロック」を主軸したアーティストの参加が多く、国内で一時的にそういったジャンルに分類されていたONE OK ROCKでは、オーディエンスからの確かな評価を貰い辛い環境となってしまっていた。
そして当時の彼らは、まだまだ海外アーティストのフォロアー的なポジションから抜け出せていなかったのだ。「35xxxv」では壮大なハードロックを聴かせるまで成長したONE OK ROCKだったが、デジタルサウンドとバンド・サウンドを融合させたハードなバックミュージックに、シャウトやメロデックなボーカルラインを多用した楽曲は「Linkin Park」を彷彿させられる。当然ながらONE OK ROCKとしてのオリジナリティも感じられるのだが、そういったルーツ的なサウンドが見えてしまう限り、永遠にフォロアーとしてのポジションも抜けられず、実力派揃いの海外アーティストと肩を並べることが出来ないのだ。
2−2.2015年のグラミーで見えた一筋の「光」
「35xxxv」のリリースされた2015年の第57回グラミー賞のロック部門には、「U2」「ANTHRAX」「Slipknot」「BECK」「MOTORHEAD」などのベテラン勢の名が連ねており、ロックというジャンルの層の厚さが伺える年となった。しかし、ONE OK ROCKが掲げる「世界で活躍するアーティストになる」ためには、上記のような猛者達と対等に渡り合う必要があるのだ。
そんな過酷な状況で見えた一筋の光が「最優秀ロック・ソング 」を受賞した“Paramore”の存在ではないだろうか?結成時期や年齢も近い彼女たちの存在は方向転換の必要だったONE OK ROCKに新たな可能性を生んだと思われる。
3.「ワンオク」の終わりと「ワンオケ」の始まり
大分、筆者の独断と偏見の記事になったしまったのだが、PARAMOREも所属している「Fueled By Ramen」に移籍したONE OK ROCKが見せてくれるであろう海外での活躍に今から期待を膨らませている。
仮に今作が海外で高く評価されればONE OK ROCKの存在は世界で認知され、国内での「ワンオク」の愛称より海外で呼ばれている「ワンオーケーロック」の方が主流になるのではないだろうか?彼らの愛称が「ワンオケ」となる日が待ち遠しい!
過去に書いたワンオクの軌跡はコチラ↓