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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

「スピッツ」の絶妙な存在感。気がつけば30周年の話

筆者が小学生の頃には、既に音楽業界ではヒットメーカーとして名を轟かせていたバンド「スピッツ」。過去にリリースされた楽曲は、未だにTVCMで起用されたりと、根強い人気を持つ一流バンドである。

 

彼らの魅力といえば、やはり、穏やかで優しい楽曲なのではないだろうか?聴けば聴くほど心に滲みる味わい深い作品。派手ではないが、堅実で安定感のあるバンドスタイル。仮に酒の肴に例えるなら「スルメ」的なポジションであり、誰もが愛する魅力的な存在なのだ。

 

そんなスルメバンド「スピッツ」も、今年で結成から30年。

 

2017年の7月には30周年の記念盤となる、過去のシングル曲を全て収めた『CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-』のリリースも決定している。

 

本日は「スピッツ」の結成から現在までの30年の軌跡に触れることなく、筆者の思いついたことを記事にしようと思う。

 

目次

 

https://content-jp.umgi.net/media/3032214/um_header_spitz_1704.png?04062017071241

 引用URLスピッツ | Spitz - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

 

 地味な印象だった『ロビンソン』が「スピッツ」をスターにした

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 筆者がスピッツの存在を初めて知った楽曲は『ロビンソン』である。以前「小沢健二の記事」でも書かせて頂いたように、当時、小学生だった筆者の情報源はTVやラジオの音楽番組しかなかっため、どうしても露出の多いアーティストを支持する傾向が高かった。

 

小学生なので当然といえば当然なのだが、そういった理由もあり、結成から8年、11枚目のシングルとなる『ロビンソン』のヒットにて筆者は初めて「スピッツ」と出会ったのだ。

 

柔らかな歌声と遊心の効いた歌詞、軽快なリズムと美しいアルペジオの旋律、そして極上のメロディライン、そんな「スピッツ」らしい魅力が満載の『ロビンソン』なのだが、作詞作曲を担当していた“草野マサムネ”は「いつも通りの地味な曲」とリリース前は評価していたとのこと。

 

しかし、そんな予想に反して『ロビンソン』は異例のロングヒットとなり、累計160万枚を超えるミリオンヒットを記録した。地味だと思っていた『ロビンソン』のヒットにより、当時の音楽シーンでは、まだマイナーな存在だった「スピッツ」の名前を一躍有名にしてしまったのだ。この件に関しては、当の本人たちも「いまだにヒットした理由がわからない」というなんとも皮肉な展開である。

 

そういった印象を持ってしまったのは、やはりフロントマン“草野マサムネ”氏の根底にある、ルーツ的な音楽性があったからだろうか?

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 草野マサムネの意外な音楽遍歴

ハヤブサ

ファンの方に取っては今更感の強い話題ではあるが、スピッツの作詞作曲を担当しているヴォーカルの“草野マサムネ”氏の 音楽遍歴は、彼の事をよく知らない人に取っては「結構意外」なものとなっている。

 

小学校時代より音楽に興味を持ち、フォーク・ソングや洋楽を好んで聴いていた草野少年。その後はハードロック・ヘビィメタルなどの過激な楽曲を好むようになっていったそうだ。

 

過去には「スピッツ」の前身バンドとなる「ザ・スピッツ」を結成しパンク・ロックを演奏していた時期もあったが、「THE BLUE HEARTS」の楽曲に衝撃を受けバンド活動を休止してしまう。

 

自らが目指していた「音楽の理想像」を「THE BLUE HEARTS」に先取りされてしまった事が余程ショックだったのだろう。

 

そうして草野マサムネは「THE BLUE HEARTS」の呪縛を断ち切るため、新たな音楽性を模索することとなる。

 

パラノイド(リマスター)

それにしても、パンク・ロックを演奏している激しい「スピッツ」など現在の姿からは想像もつかないが、メンバー達の根底にある「ロック魂」はアルバム『ハヤブサ』にふんだんに盛り込まれており、「スピッツ」のバンド名の由来であるドイツ語で「尖った」という意味を連想させる激しいパフォーマンスを見せてくれる。

 

さらにアルバムのジャケは、サバスの「パラノイア」ぽい感じとなっており、もしかすると影響を受けているかも!なんてことも考えてしまう。学生時代には「『いちご白書』をもう一度」をサバス風にカバーをしていたなんて話もあるし・・・。

ハヤブサ

ハヤブサ

 

 聴いた瞬間に「好き」と思える魅力的な楽曲 

春の歌

「スピッツ」の魅力といえば「歌詞」なのだが、その辺の詳しい内容については、筆者のような読解能力の低い人間がおこなう必要はないと思われるので、書籍や専門サイトを参考にしてほしい。

 

上記で報告させていただいたように、筆者の「読解力は低く」、学生時代の国語の成績も大体「2」位をキープしていた感じである。「そんな人間がスピッツの魅力を語るな!」「歌詞の意味を理解していないなんて、麺の入っていないラーメンを食べているようなもんだ!」などと、筆者を罵倒する方も多いと思うが、スピッツの魅力って聴いた瞬間に「いいな〜」と感じられる「最上級の歌メロ」にあると思う。

 

仮に「ラーメン」に例えるなら、「麺(歌詞)」を食べずとも、彼らの作る「極上のスープ」(メロディ)さえあれば、満足してしまうということだ。あまりに極端な歌詞とかだとちょっと無理かもしれないが、普通の歌詞でも十分彼らの魅力は伝えられるはず。だからこそ幼少期の筆者でも、『ロビンソン』を聞いた瞬間に「いい曲だな〜」と感じられたのだ。簡単に言えば「誰でもわかる」ということなんだけど、それが一番難しいよね。ちなみに筆者が一番好きな曲は『楓』である。

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 世代を超え多くのアーティストに愛される楽曲たち

 結成から30年となる「スピッツ」。彼らの作り出す優れた楽曲は、世代を超え多くのアーティスト達に愛されカバーされ続けている。

名盤「ハチミツ」を人気バンド達が丸ごとカバー!?

2015年には『JUST LIKE HONEY ~『ハチミツ』20th Anniversary Tribute~』という、『ハチミツ』の20周年を記念したトリビュート作品がリリースされている。

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ラインナップを見てもらえばわかるように、今をトキメク人気バンドが勢揃い。さらにスピッツの名盤と呼声高い「ハチミツ」を、まるごと1枚カバーしちゃおうという面白企画。スピッツのファン以外も安心して楽しめる良作品となっているんだけど、爽やかな「9mm Parabellum Bullet」に何となく違和感が・・・笑。

 

JUST LIKE HONEY-「ハチミツ」20th Anniversary Tribute-

JUST LIKE HONEY-「ハチミツ」20th Anniversary Tribute-

  • アーティスト: オムニバス,ASIAN KUNG-FU GENERATION,初恋の嵐 feat.曽我部恵一,スコット・マーフィー,赤い公園,10-FEET,NICO Touches the Walls,鬼龍院翔,indigo la End,LAMP IN TERREN,クリープハイプ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2015/12/23
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「泉まくら」の歌う『空も飛べるはず』

CMなどで使用されるカバーソングの場合、尊敬などだけではなく、視聴者の趣向も考えなくてはいけない。ざっくり言えば、「この楽曲は現代でも通用するのか?」という部分だ。そんな不安を全く感じさせないのが「スピッツ」のポップでキャッチーな楽曲である。

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1996年にドラマ「白線流し」の主題歌として起用された『空も飛べるはず』は、リリース当時はパッとしないセールスであったが、2年後に人気ドラマ「白線流し」にて起用され、大ヒットとなった異例の作品。「旅立ちソング」として多くの世代から認知されており、卒業式などで歌われることも多い。リリースから20年。時代が流れても変わらぬスピッツの人気を実感させられるカバーソングとなっている。

 

「藤原さくら」が歌う『春の歌』

個人的に、スピッツの楽曲の中で最高傑作だと思う『春の歌』。リリースから12年経った2017年に、映画「3月のライオン」の主題歌として「藤原さくら」のカバーバージョンが起用されている。ちょっとポップで可愛らしいボサ・ノヴァ風にアレンジされた『春の歌』は、原曲よりさらに「春」らしいポップなアレンジがされており、聴いてるだけでポカポカした春の陽気が連想させられる。

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PLAY (初回限定盤)

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常に身近に存在し続ける「スピッツ」

【早期購入特典あり】SPITZ JAMBOREE TOUR 2016

「スピッツ結成30年」のニュースを見るまで、彼らの活動期間の長さを筆者は全く意識していなかった。幼少期には人気バンドとして存在していた彼らなので歳を取っていくのは当然であるが、まさか30周年とは驚いた・・・。

 

しかしながら、バンドの「◯周年」などというニュースは結構頻繁に見かけるもので、「あのバンドまだ活動していたんだ・・・」なんて思うことも多い。そう考えてしまう原因の多くは「ヒット作以降の低迷」にあるのではないだろうか?活動はしているがファン以外は存在すら忘れている。そんな状況では「活動が長いだけ」と言われてしまっても仕方ない。

 

だが、スピッツは違う。常に我々の周りに彼らの音楽は存在し、世代を超え支持され続けているからこそ、「もう結成から30年経つの?」なんて驚きを感じてしまうのだろう?地味でもなければ派手でもない。まさに絶妙な存在の「スピッツ」を今後も適度に応援していきたいと思う。

CYCLE HIT 1991-2017 Spitz Complete Single Collection -30th Anniversary BOX-(初回限定盤)[3CD]

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