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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

ELLEGARDENの作風で10年活動休止して復帰とかギャップありすぎて無理でしょと思ってた話

 

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この10年で、自分はかなり変わった。

 


昔はムカつくやつに中指立ててたし、バイトも気分でバックれて、「これが俺の生き方だ」とか思ってし、意味もなく道端で叫んだりしてた。

 


でも今は、NISAで積み立ててるし、上司にはちゃんと報・連・相してる。夜は静かな部屋で、ノンカフェインの麦茶を選ぶくらいには落ち着いた。

 


大人になった、ってやつだ。

 


「ずっとこのままで生きてくんだろうな」と当時は思ってた。
でも現実はそんなに単純じゃなくて、変わったし、折れたし、まるくなった。いや、元々そんな器じゃなかったし、格好つけたかっただけなのかもしれない。

 


中には、あの頃のスタンスを本気で貫いた奴もいたけど、だいたい途中でいなくなった。消息不明か、塀の中。よくて執行猶予。

 


そもそも頭髪の両サイドを永久脱毛して常にモヒカンキープしてたら就活とかできなよね。

 


変わることは自然だし、変わらないことは難しい。それでも、たいていのものは、いつか終わる。だから、聞いたときは思った。

 


え、ELLEGARDENってまだやってたの!?

 


という訳で、本日はその人気は永遠で有名なELLEGARDENについて書かせていただこう。

10年って、だいたい朝顔4億周分くらいありますよね?

BRING YOUR BOARD!!

ELLEGARDENは、2008年に活動を休止している。

 


理由は「音楽的な方向性の違い」。バンドあるあるすぎて泣けるやつ。
でも、そのまま解散せず、“止める”という選択をした。

 


そこから10年。
まるまる10年。

 


ちょっと考えてみてほしい。

 


小学1年生だった子どもは、もう高校2年生。声変わりして、制服のボタンは開け気味で、スマホ片手に電車でため息ついてる。反抗期なのか何なのか、親に「うるせーな」とか言う。その親、たぶんエルレ聴いてた世代。

 


犬だったら、生まれて、尻尾振って、番犬になって、毛が白くなって、虹の橋渡ってる。悲しいよね。

 


朝顔だったら、何度も咲いて、枯れて、また咲いて、最後はネットを越えて、空き地のフェンスを制圧してる。未来の甲子園。

 


10年って、そのくらいの長さだ。何かが始まって、成長して、終わるには、十分すぎる時間。

 


でも、そんな月日をまるっと経てELLEGARDENは何事もなかったように戻ってきた。


本人たちは「ただ帰ってきた」みたいな顔してるけど、音も声も、熱量までも10年前のまんま。むしろ当時よりも人気なんじゃないの?バンドも熟成されるの?当時のファンって、もうオジオバのはずでしょ?それなのに若い子のファン多すぎじゃない?BRAHMANのファン層とかAIR JAM世代のままだよ?何この違い?

 


こっちは10年でカラダも趣味も価値観もまるっと更新されたのに、ELLEGARDEN人気だけが、まるでタイムカプセルからそのまま出てきたみたい。

 


それはもう、エモとか感動とかじゃない。

 


「え、マジで止まってたん?」っていう、軽くホラー。

結局、活動再開って言っても過去の焼き直しなんじゃないの?

My Own Destruction

筆者くらい捻くれると“活動再開”というバンドを見るたびに、“そろそろ金に困ってきた?”なんて事を考えてしまいます。

 


暗いニュースが多い世の中を少しでも明るくしたい!!結成〇〇周年なので期間限定で活動を再開!!そんなニュースよく見かけますよね?

 


大体は記念にライブしとく?話題にもなるし儲かるんじゃない?とりあえずシングル1発だしとく?みたいな。

 


エルレもどうせそんな感じなんでしょ?ってな事で、新旧代表曲を改めて聴いてみようと思いますね。どうせ当時の焼き直しでしょ?

 

「風の日」文化祭で全力出せるやつ、今ならちょっとわかる気がする

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10数年ぶりに聴いたけど、変わらずの「風の日」。めっちゃいい。90年代のメロコア全盛期のような雑ぽい感じもなく、あ~当時はめっちゃセンセーショナルなサウンドだったんだよ。でも今聴くと少し古くさいね。とかまったくない。

 


なんだかんだ“風の日”って地球がある限りなくなることもないし、時代を感じさせる歌詞でもない。めっちゃ時代が反映するジャンルの音でもないという普遍づくし。余計なものがない無添加100%ソング。ノスタルジック風味が当時よりも増してとにかくスタンダートで何年経っても色褪せない。まさに“あた~りま~えだろ”って。

 


当時の筆者は、どっちかというとエルレに斜に構えてたエルレブームの前くらいが青春パンクブームだったので、“前向きなテンション”に無意識で距離を取ってしまっていた。

 


どんだけポジティブな歌詞を聴いても、こっちは絶賛人生迷子中。風が吹いたら通勤が辛くてバイトバックレたよ。強風の日でもチャリでバイト行くやつの音楽だよ。

 


でも、今この歳になると不思議と聴ける。今なら文化祭もそれなりに楽しめそう。打ち上げも最後まで残れる。


しかしながら当時20代のエルレの等身大で歌ってた“青臭さ”だからこそ、時代を生きる若者たちの心を掴んだ訳で、40〜50代のバンドが、若者の感情を代弁しようとしても、
普通は“ちょっと無理あるな…”ってなるのが自然。お前が道化だろって。

 


でもELLEGARDENは違った。あの頃と変わらない顔して、この曲を今も鳴らしてる。

 


しかも、それが全然不自然じゃない。むしろ説得力が増してる。エルレの支持層って10代~40代?いや広すぎでしょ。

 


それってもう、楽曲とか演奏力とかじゃなくて、“人間力”の域。本人たちにそんな自覚があるのかは知らないけど、「風の日」が今でもちゃんと風として吹いてくるの、それってやっぱり、おかしいよ。いい意味で。

 


とはいえ、流石のこの芸風のまま活動再開は辛いよね?

 

「Mountain Top」──再起って言葉の湿度、わかってるよねこの人たち

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あの頃のテンションで疾走感とシャウトで「帰ってきたぜ!」って再始動それも正直アリだと思う。でも、それをやっちゃうと“第2章”じゃなくて“第1章のセルフカバー”になるんだよね。本人たちもそれはちゃんとわかってたらしくてインタビューでこう言ってた。

思い出の再現を一生懸命やるっていうやり方もあったのかも知れないけど、それをやってたら失敗していたんじゃないかなって今でも思ってます。あの頃の曲はあの頃の俺たちにしか書けなかったものだし、このアルバムはあの頃の俺たちには絶対に作れなかったものですからね。

引用URL PREMIUM INTERVIEW|ELLEGARDEN 細美武士×生形真一──2022-2023 ELLE YEAR終結。未知の絶頂とその先へ。 | Qetic

 

 

たぶん再始動って、“昔のエルレ”を期待してるリスナーに対して、“今の自分たち”をぶつける作業でもあるんですよね。変わってないようで、確実に変わってる。その距離感を理解させるってめちゃくちゃ難しいはず。ハイスタの『ANOTHER STARTING LINE』に関しては、筆者は完全に当時のテンションでやってくると思ってたので、ちょっと残念だったなと。とはいえ今後の活動の継続とか考えると焼き直しじゃ駄目ってことですよね。

 


活動再開のついてインタビューでは下記の様に語っている。かなりの覚悟。

「ここで目いっぱい出し切ったら全部終わりでいいや」っていう気持ちだったんで、全然曲ができなくて壁に頭を叩きつけるような苦痛が続いてもそれが明日なくなると思えば愛おしいっていうか。 

引用URLPREMIUM INTERVIEW|ELLEGARDEN 細美武士×生形真一──2022-2023 ELLE YEAR終結。未知の絶頂とその先へ。 | Qetic

つまり、この再始動がうまくいかなかったら、正式に終わってた可能性もあったのかも。そう考えると「Mountain Top」って、わりと賭けだったんじゃないかとすら思う。

 


で、肝心の音。びっくりするくらい落ち着いてる。「俺たち戻ってきたぜ!」って顔じゃなくて、「俺ら登るのやめちゃったけど、また登りだすよ。覚悟?当然してるよ」って顔してる。

 


この落ちついた覚悟って老兵が再び戦場に戻るような感じで、めっちゃ泥臭くてドラマチック。

 


筆者は当時のエルレはもう山頂いたと思う。でも本人たちは、「これから」って。筆者なんか、登りかけた低い山の中腹で「もうこの辺でいいかな」って小屋建てて、今じゃそこに村作って気楽に生きてるよ。もう登る気は多分ない。でも羨ましい。

 

 

「Missing」──青すぎる少年性、今聴いても眩しいって、なんだこれ?

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MVが大分時代を感じさせますね。インナーTの出方とかめっちゃ当時のメロコアバンドマン。当時20前後くらいで確か『Missing』を聴いた時はメロディとかめっちゃいいけど、ちょっと歌詞がキラキラしてて⋯対象年齢若めなんて思ったけど、なんかグッと感じるものはあったんですよ。

 


でも自分の青春時代のドロドロした感じとは少し違ったので「文化祭を素直に楽しめるやつ」の音楽なんて聴いてられない、受け入れたら自分自身が崩壊するなんて思いもありました。メインストリームを嫌うタイプの典型です。すみません。

 


ELLEGARDENのテーマが“少年性”だって事なので致し方ない部分ではありますが、「間違って少し楽になって」や「笑ったこと思い出して」などなどの歌詞がどうしても当時の筆者にはアナフィラキシーショックを発症する原因だったらしく「爽やかな青春憎し」という反応が出てしまうのです。年月を重ね免疫力も大分強くなりましたが、YOUTUBEのコメント欄などで「私はこの曲で救われました。今も生きてます」みたいなのを見てしまうと、今でも自分はなんて汚く卑しい人間なんだと浄化されそうな勢いであります。

 


と、話はだいぶ脱線しましたが、50代のオッサンの歌う少年性ってどうなのって?活動再開って難しくない?って記事を書くまで思っていましたが、オッサンになって改めて聴くと、この歌詞の部分にグッと来るというか走馬灯見るような感覚で若かりしを思い出すノスタルジック感がたまらないっす。「そうだよね。間違ったっていいだよね」って。

 


若者には共感を。年配者には懐かしき青春の日々を思い出させていただけます。改めて「Mountain Top」と比較すると、テーマである少年もだいぶ大人になったんだなと実感させられます。

 

「Strawberry Margarita」──昔は少年、今はプロテイン混じりの大人たちへ

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「Mountain Top」でしっかり“再起”を宣言したあとに、この「Strawberry Margarita」が出てくるあたり、ああ、ちゃんと肩の力抜けてるなと思った。というか、ちょっと跳ねてる。いやジャンプ力じゃなくて、テンションのほう。50代でジャンプは辛いだろ。即解散だわ。

 


「Missing」や「風の日」みたいに、“その瞬間の見たものや感情を叩きつける”タイプの曲ではない。復帰後はやっぱり「見てきたこと」「考えてきたこと」が、ちゃんと1クッション置いてから鳴らされてる感じがする。焦ってない。張り合ってない。ちゃんと、大人ぽい。

 


しかしながら少し気になることが・・・。細美さん、筋肉つきましたよね?
MV観るたびに、なんか二の腕のシルエットが厚い。昔はもっと線が細くて、“ちょっとこじれた高校生”っぽさがあったのに、今や完全に「健康診断で褒められるタイプの50代」。ちょっとシミケンさんぽい。

 


もちろんこれは悪口ではなくて、バンドそのものが“思春期”を超えてきた証拠だと思っている。昔のエルレが“少年”の代理人だったとしたら、今のエルレは、“結構大人”感が出てるよね。とはいえ、その両方の音をライブで無理して分けている雰囲気もないのがエルレの凄いところ。見事に共存してる。

 


元パチンコ中毒でも、50代のオッサンらしさも出しながら綺麗な少年の心を唄えるELLEGARDENが羨ましい。そりゃ活動再開も成功する訳ですね。