culture time

独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

「GLIM SPANKY」のコンセプトが別居状態な話

BIZARRE CARNIVAL(初回限定盤)

「アーティストを育てて売り出す」文字にしてみると非常にシンプルな構造の音楽業界。

 

アーティストを育てると言っても、どんなアーティストが売れて、どんなアーティストが求められているかなんて、業界の皆様もわかっているようで、わからないのが現実なのではないでしょうか?

 

アーティストを新人から育てるなんて、いわば、賭けにも近い“投資”のようなものなので、出来る限り売れてほしい、欲を言えば長期に渡って人気でいてほしい・・・なんて考えるのは、レコード会社の皆様にとっては当然の事なのだとは思いますが、そういったダイヤの原石のような新人さんは、ホイそれと見つかるはずもなく、自社主催のコンテストだけでは事足りず、イケてるバンドがいるなんて噂を耳にすれば、地方のライブハウスまで足を運ぶなんて苦労話も耳にします。

 

そんなストレス全開な業界の皆さまを驚かせた注目のアーティストと言えば、尖ったユニット「GLIM SPANKY(グリムスパンキー)」なのではないでしょうか?

目次

 

 ベテランの風格を醸し出す「グリムスパンキー」というユニット

Next One(通常盤)

いやいや驚きました。なにがって?グリムスパンキーって2人組にですよ。普段テレビの音楽番組などはあまり見ないもので、音楽の情報はラジオや定額配信を流し聴きしているんですが、初めて彼女達の楽曲を聞いた時に、こいつらどこのベテランバンドだ?って勘違いしてしまったんですよ。

 

だって、こういったハスキーな声を出す女性ボーカルのイメージって、場末のスナックとかでママをしていそうな中年女性じゃないですか。

 

「私ね、若い頃は、こう見えても歌手を目指してたのよ」なんて昔話をしながら気怠そうにタバコの煙をウィスキーで流し込む仕草が似合うような感じ。

 

それがまさか、こんなうら若きお嬢さんだったなんて、イメージにギャップありすぎでしょ。絶対、ロングヘアーに細かいロットのパーマ掛けた女の人だと思っていたのに!!松尾レミ半端ねーな!!なんて、しゃがれ声の女性ボーカルに対する偏見はここまでにして、グリムスパンキーというユニット名の由来と音楽のコンセプトに考えたいと思う。

 

過去インタビュー記事を一部抜粋引用させていただいてので、是非とも皆さん確認してほしい。

 

“GLIM(=灯火、かすかな光り)”という幻想的なイメージの言葉と、“SPANK”(=平手打ち)という攻撃的な要素を持った言葉を掛け合わせました。すると曲も自然とそういう雰囲気になりました。この名前が私たちの方向性を決定付けてくれた、とも言えますね」(松尾

引用URLGLIM SPANKYの誕生を紐解くインタビュー - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

 

え・・・幻想的?

攻撃性ばかりが注目されている「グリムスパンキー」の音楽性

www.youtube.com

 音楽性のコンセプトとして「幻想」と「攻撃」を掲げているグリムスパンキーなんだけど、大体の人達が認識している彼女達の個性って、やっぱり「攻撃」って部分ばかりだと筆者は思うんですよ。

 

本人達に取っては不本意な評価かもしれないけど、「幻想」なんてコンセプトは、ほぼほぼ認識されておらず、死にかけた妖精の最後の灯火(命)すら、ぶっ叩いてトドメを刺しちゃう位のガンガン行こうぜ的な攻撃性ばかりがフューチャーされてしまっている。

 

そんな印象が広まってしまう理由としては、やっぱりリード曲の大半が荒々しい攻撃的なナンバーだという事と、1曲の中で両コンセプトの共存が出来ていないって部分なのではないでしょうか?

 

グリムスパンキー自身も「幻想的な曲もあれば攻撃的な曲もある」とコメントしているように、楽曲によつてコンセプトが独立しており、アルバム1枚を通して聴くことで、初めて、グリムスパンキーというユニットのコンセプトを理解することが出来るのです。

 

言わばコンセプト同士の別居状態。

 

そういった部分の改善が今後の課題かもしれませんが、現段階で求められてるのは、やっぱり攻撃的なグリムスパンキーなのでしょう。

ギター初心者

レコード会社の販売戦略もその辺を意識しているようで、新曲は『愚か者たち』なんて罵りっぷり。哀愁漂う自問自答を誘う楽曲は最高であります。MVのギターの渦巻きがザック・ワイルドのギター模様に見えてしまう・・・。

 

そもそも、幻想と攻撃なんて、北欧メタルの楽曲くらいでしか共存していない難しいコンセプトではありますが、是非とも彼女達にはそういった難題をクリアしていただき、新境地に立って欲しいと筆者願っています。

 

愚か者たち

愚か者たち