4月より絶賛放送されている大人気アニメ『キングダム』のオープニングテーマとして抜擢されたBiSHの最新曲『TOMORROW』のミュージックビデオが先日公開され、ファンの間で結構な話題となっております。
全世界中で散々使い古された手垢まみれのタイトル『TOMORROW』ではありますが、さすがBiSH!!といった感じの楽曲。さらにMVも本当本気で良かったので記事にさせていただきます!!
(5月段階ですと放送延期中です)
画像引用URLhttps://twitter.com/BiSHidol?
目次
- “楽器を持たないパンクバンド”なのに楽器を持ってしまったBiSH
- あえての王道タイトルである『TOMORROW』をチョイスしたBiSHから溢れる自信
- お遊びと本気が入り交じる?『TOMORROW』のミュージックビデオはツッコミどころ満載!!
- ゴリゴリの王道ロックチューンを唄う外道アイドル
- BiSHの照れ隠しっぽい感じが滲む今作『TOMORROW』
“楽器を持たないパンクバンド”なのに楽器を持ってしまったBiSH
BiSHといえば“楽器を持たないパンクバンド”なんてキャッチで活動しているアイドルグループなのは有名な話ですが、今作品のMVで見事に楽器を持っていることが判明。
「楽器を持たないのになんでパンクバンド何だよ!!」なんてツッコミが最近ではやっと減ってきた最中、「ごめん、来ちゃった」なんて自宅に突然やって来てしまう彼女ばりに「えへ、私達楽器持っちゃった♡」という急展開に、筆者の口はあんぐり。本日2回めの本当本気!?は見事なまでの疑問形でございます。
中には 流石WACK。相変わらず唐突にぶち込んでこられる、なんてニヤついている玄人のリスナーの方々もいらっしゃると思いますが、ライトリスナーの筆者からすると、演出のために簡単に続けてきたキャッチを覆すのは疑問。いい意味でツッコミどころであったキャッチですので。
まーとりあえずコチラの件に関しましては一旦置いておいて、楽曲とMV ついて書かせて頂きましょう。
あえての王道タイトルである『TOMORROW』をチョイスしたBiSHから溢れる自信
画像引用URLhttps://twitter.com/BiSHidol?
まず注目したいのが今作品のタイトルであります。コチラのタイトル前述させていただいたように、あまりにありふれたタイトルのため「tomorrowっていい曲だよね!」なんて言われても、実際問題、誰の曲だかわからねーよって状態でございますし、筆者の年齢ですとついつい「岡本真夜のtomorrow?」なんて返答をしてしまいます。
ネット界隈で言うところのビックワードに該当する今タイトルですので、否が応でも名作揃いの競合性の高いワードとなっております。
さらに明日という未来を連想させるキーワードの効果により、聴く前から脊髄反射でポジティブ〜なんて感想が口から漏れしてまうほど、楽曲のイメージが定着してしまっているのです。
それゆえに個性を押し出したいアーティストとしては、ちょっとばかり敬遠したい認知され過ぎたテーマなのではないでしょうか。
個人的にはセルフタイトル(アーティストの名前をタイトルにした作品)などと同じくらいタイミングが難しい気がします。
筆者の個人的な感想としては、現在のBiSH人気に対する制作サイドの確かな自信があるのかな?なんて勝手に考えていますが、『単純にキングダム』という作品の内容などを加味しているだけかもしれません。放映もNHKですので、今回はお行儀よくね。紅白狙っていきましょう。
お遊びと本気が入り交じる?『TOMORROW』のミュージックビデオはツッコミどころ満載!!
BiSH / TOMORROW [OFFiCiAL ViDEO]
今作『tomorrow』のミュージックビデオは個人的には過去最高レベルの出来と評価しております。
楽器を持っちゃったり、アユニがセンターだったりと、大技が飛び交っておりますが、ただただ単純に“カッコいい”ってところが最大のポイントであります。
メンバー各々、あてがわれたパートの当て振りをいかに「格好良く見せるか」というテーマがあったようで、かなりの気合を感じさせてくれます。その辺りについては下記動画でサウンドプロデューサーの松隈ケンタ氏が解説してくています。
松隈ケンタがBiSH/TOMORROWを解説!【楽曲分析シリーズ】
アユニのボーカルアクションは昨今のスクリーモバンドを彷彿させるもので、ワンオクのTAKAのようなマイクケーブル捌きも見所であります。目をカッと開くところに凄まじい本当本気感。ロックバンドのボーカルポジションが最高にマッチしてますね。アユニが歌っているように見えて、他のメンバーの声が聞こえるのは何か違和感バリバリでしたが、アユニと声が一致した瞬間凄まじくクリアな世界が広がったのは感動。これも狙いなんでしょうか?
そしてチッチのドラムも当て振りではありますが、ひとつひとつの動作がとにかく艶やか!!チッチこんなに色っぽかったけ?なんて仰天。今作のMVの個人的MVPはチッチって勢いです。
「ギターは腰で支えるんだよ!!」なんて勢いで、もうギターヒーローみたいな風格のアイナ姉さんは、歌っても踊ってもギターを持ってもカッコいいなんて罪な人。
流石はBiSH!!と、ただただカッコよさに圧倒されてしまいますが、やっぱりBiSH。所々でしっかりと“外しのツッコミどろこ”をリスナーに提供してくれます。
ぱっと見でわかるインパクト重視のハシヤスメの悪ノリに、モモコのカッコいいはずなのに何故か失笑してしまう本気のタンバリン捌き、通常営業ながら担当した楽器が最強レベルにマッチングしてしまったリンリンなど、すげー本気なんだけど何度も見てると笑えてくる感じがとっても素敵。
ゴリゴリの王道ロックチューンを唄う外道アイドル
『王道』。シンプルでございますが、これが今作『TOMORROW』に対する筆者の感想でございます。もうちょと詳しく例えるなら「疾走感溢れるエモーショナルロック」といったところでありますが、決して疾走感=単純という訳ではなく、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ氏の解説にもあるように、所々に鍵盤楽器やストリングスが織り込まれた重厚な作品となっております。
王道なんて表現を筆者のような捻くれた人間がしてしまうと、嫌味ぽく聞こえてしまうかもしれませんが、今作は王道ゆえに最高であり、BiSHには珍しい正統派アイドル風の展開まで盛り込まれているのです。
アイドルとして何が王道で何が外道かなんてリスナーの印象次第ではありますが、ここ最近のメジャーアイドルの覇権を握っている“乃木坂46”などのコンセプトを“王道”とするならば、明らかにBiSHは“外道”の活動方針が取られているのは確かな話。
「いや逆だろ!!」って人も中には居るかもしれませんが、世間的には“スク水ライブ”とかやっている方が明らかに外道だろ!!お前の性癖は異常だ!!お巡りさーんこっちでーす!!
散々ここまでBiSHのことを外道だなんだ言ってまいりましたが、彼女たちの見せるアイドルとしての姿は正真正銘であります。泥沼から這い上がり希望を掴むような彼女たちの直向きさは、下手すればそんじょそこらの清純ぶったアイドルなんかでは太刀打ち出来ないレベル。
そんなBiSHの独自のアイドルパワーが今作『TOMORROW』では凄まじく発揮されているのです。その変に関しましては、動画1分59秒位からの怒涛の展開を聴いていただけば、ご理解いただけるかと思います。
爆発力あるアユニのサビパートからアイナへのボーカルチェンジを経て「トゥゥモォロォオオオ」のロングトーンで一旦サビを締めつつも、Dメロでチッチの怒涛の追い打ち。すでに涙腺は限界です。そして落ちサビ!!(正確な表現かは不明)ここいらの展開は王道中の王道ですので予想どおりではありましたが、まさかの合唱パート(本当に合唱かは自信は無し)で来るのは予想外。もう涙腺崩壊です。まさかここで正統派アイドルのような神々しさを聴かせてくれるとは・・・。完全にやられました。BiSHは正真正銘のアイドルだよ。と、予想をいい意味で裏切る王道オブ王道。
と、筆者は楽曲面でも度肝を抜かされた次第であります。
BiSHの照れ隠しっぽい感じが滲む今作『TOMORROW』
本日は色々と筆者が『TOMORROW』について感じた事を色々と書かせて頂きました。
タイトルもさることながら楽曲の展開も王道。歌詞も泥臭くもポジティブ。さらに正統派アイドルっぽさも聴かせてくれております。
しかしミュージックビデオでは、楽器を持っちゃったり、少しばかりシリアスな笑いを入れてみたりと、驚きと絶妙な落とし所が色々と用意されておりました。
楽曲の提供先がNHKの番組という事もあり、お行儀よくしなければいけない雰囲気もあったりするかもしれませんが、なんとなーく照れ隠しっぽさも感じられます。
しかしながら、偶然でも現在のような社会的状況下で、BiSHが『TOMORROW』という前向きな楽曲をリーリスしてくるのは嬉しいニュース。本当本気で最高であります。