ここ最近のメロコアシーンで注目のアーティストと言えば「WANIMA」や「04 Limited Sazabys」ではないだろうか?
しかしながら、なんとなく「注目」とは言ったものの、どちらのアーティストもデビューから数年が経過しており若干の今更感も漂ってしまうのだが、筆者のようなメロコア全盛期を経験した“おっさん”の枯れたハートを再び燃え上がらせた彼らの活躍には胸をワクワクさせられる。それでは、本日は「04 Limited Sazabys」をメインにブログを書かせて頂こうと思う。
目次
- メロコア界の新星「04 Limited Sazabys」メンバーや結成時期ついて
- そのサウンドは、疾走感と哀愁が絡まりあった「メロコア」
- メロコア界を盛り上げる新世代バンド「04 Limited Sazabys」の可能性
メロコア界の新星「04 Limited Sazabys」メンバーや結成時期ついて
2008年に名古屋市で結成された04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)。ファンからは“フォーリミ”の略称で呼ばれることが多い。2015年に日本コロムビアよりメジャーデビューし、2017年2月には初となる日本武道館でのワンマンライブを開催する。現在活動中のメンバーは以下のとおり。
GEN
(ゲン) ボーカル、ベース担当。 写真右から2番目
小柄な見た目から「少年」という言葉が連想される。そして、その見た目通りの「少年風ハイトーンボイス」を武器に、フォーリミをオリジナリティあるメロコアバンドに昇華させた存在。フォーリミの作詞や作曲を担当している。「イタズラっ子」ぽい風貌も相まって女性人気が非常に高い。
HIROKAZ
(ヒロカズ) ギター担当。 写真右端
真っ赤な髪の毛が特徴的なヒロカズさん。彼らがパソナリティーを務めているラジオ番組では、母親が電話ゲストに登場したりと、温かいキャラクターが魅力。過去にはギタークラフトの専門学校に通っていた経歴もある。
RYU-TA
(リュータ) ギター、コーラス担当。 写真左端
ワイルドな見た目通りのオラついたシャガレ声で、フォーリミにスパイスを加えてくれる重要な存在。GENとは真逆である。リュータが居るからこそ、フォーリミの幅を広げられていると筆者は思う。
KOUHEI
(コウヘイ ) ドラム、コーラス担当。 写真左から2番目
ドラマーってガッチリした体格の人が叩いているイメージが強いんだけど、そんな定説を見事なまでに打ち砕いた存在がコウヘイさんです。いやむしろ痩せすぎなのでは・・・なんて心配をしてしまうような風貌をしていますが、安心してください。しっかりとフォーリミのリズムを固めてくれています。いろいろな意味でインパクトの有るキャラクターはフォーリミのオアシス。
そのサウンドは、疾走感と哀愁が絡まりあった「メロコア」
国内では「メロコア」と呼ばれるジャンル属する「04 Limited Sazabys」。同ジャンルの歴史は割りと新しく、1991年に結成されたHi-STANDARDの爆発的なヒットにより日本全土で認知されるようになった。本来であればメロディック・ハードコアの略称として使われていた「メロコア」なのたが、国内では様々なパンクジャンルを一括りにした形で「メロコア」と呼ばれることが多い。
今回紹介する「04 Limited Sazabys」に関しては、ハイスタ時代から続く同ジャンルの流れをしっかりと受け継いだ疾走感ある楽曲が多くなっている。その中でも活動初期のアルバム『Marking all!!!』に収録されている「buster call」は、メロコアの「お手本」と言っても過言ではない、疾走感と哀愁があふれた良曲である。
しかしながら、皆さんご存知の同ジャンル。短い歴史ながら結構掘り尽くされた感も強く、上記で紹介した「buster call」も素晴らしい楽曲ながら「ありがち」な進行となってしまっている。その原因は、やはりシンプルな構成の楽曲が多いからではないだろうか?
さらにメロコア界には、「ハイスタ」や「エルレ」などの優れたメロディ・メーカーが存在しているのも大きいだろう。それらは、今後、新しいメロコアバンドがどれだけ誕生しようとも、彼らと比較され続けていることを意味している。結果、抜群のメロディセンスを持ちながらも初期のフォーリミはセールスにも恵まれず、その評価は高いものではなかった。
そんな彼らの評価を一変させたのは、やはり英詞から日本語詞に変化したことだろう。疾走感と哀愁はそのままに、よりメッセージ性を強くすることが可能となった。そして2014年にリリースされた「monolith」で彼らの人気は確固なものとなる。
メロコア界を盛り上げる新世代バンド「04 Limited Sazabys」の可能性
国内のメロコアシーンを今後牽引していくアーティストとして名前の上がることの多い、「04 Limited Sazabys」と「WANIMA」。両バンドとも年齢や活動期間が近く比較されやすいのだが、「仮にどちらが牽引していくの?」って考えてみると、やはりCDセールスの多い「WANIMA」が適任だと思う。
売れているアーティストならいいのか?って考えもあるが、シーンの人気を維持するためには常に目玉となるアーティストが必要なのだ。かと言ってフォーリミがWANIMAに劣っている訳ではない。両バンドの決定的な違いは「楽曲のターゲットとなる可能性の高いリスナーの母数」なのではないだろうか?
両者共にメロコア特有の疾走感を持ちつつも、ストレートな歌詞を力強く唄うWANIMAの方が圧倒的に 一般層から支持されやすい。実際のところ、奇抜な見た目に反してその作品は非常に優等生なのである。ポジティブソングが嫌いな人って少ないよね?そして、それらは過去に「モンゴル800」の成功事例で立証されている部分でもある。
けど、何となく感じてしまうのがWANIMA作品の完成度の高さ。とにかく、抜群のメロディセンスを持っているのは理解できるのだけど、完成されすぎてしまっている印象も強く、今後どんな変化をしていくのかって楽しみに欠けてしまっている。その点、まだまだ「悪ガキ」感の残ったフォーリミの音にはエッジの効いた鋭さが感じられ、メンバーの成長と共に「進化」する可能性が残されている。だからこそ、筆者は04 Limited Sazabysに注目しているのだ。