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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

「欅坂46」の“異様なコンセプト”と音楽性についての話

 

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2015年に結成されたアイドルグループ「欅坂46」。デビューから2年、破竹の勢いで注目を集めいてる彼女たちの1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』が遂にリリースされた。本日はメンバーの名前など全くしらない筆者が注目した、彼女たちの音楽性やコンセプトについて書かせていただこう。

 

目次

「欅坂46」の誕生

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 2015年に発表された「乃木坂46新プロジェクト」のメンバー募集。当初はグループ名を「鳥居坂46」するとされていたが、メンバー募集のオーディション終了後にグループ名を「欅坂46(けやきざか)」に変更されることが運営より発表される。

 

グループロゴは「乃木坂46」のロゴの上に色違いの同型のものを重ねたデザインとなって いる。ロゴの重なりについては、同じ「坂道グループ」という事を表しているのか「乃木坂46を超える!」という意味なのかは不明。

 

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 だが「乃木坂46」自体AKB48の公式ライバルとしてデビューしているため、「欅坂46」にも何にかしらの役割があるのではないかと筆者は考えている。

 

それにしても、自らが育て上げたグループ同士を競わせるなんて総プロデューサーの「秋元康」も人が悪い。

 

どちらのグループが優位に立とうと、楽曲を提供している当人は痛くも痒くもない。まさに悪の枢軸。武器商人のようなポジションだ。そして、多くの少女達を関連グループで争わせる姿は、なんとも禍々しいもので 呪術の「蠱毒」ようである。

 

そんな状況下で誕生したアイドルグループだからなのだろうか?「欅坂46」はやや異端な存在として巷で騒がれているのだ。

 

「笑顔を売らない」欅坂46の狙いは変革?

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 現在では「笑顔のないアイドル」なんて呼ばれ方をしている「欅坂46」だが、プロデューサーの秋元康氏は、「初めからコンセプトとしていた訳ではない」とインタビューで語っている。

僕が40数年こうした仕事をしてきたなかで、「こういうテーマでいこう」と最初から頭でっかちになると、うまくいったことがない。乃木坂46もいろいろと音楽を作っていくうちに、結果として「自分が描いていたのはリセエンヌだったんだ」と後から気づいた。欅坂46もオーディションに合格したメンバーと話したり、あるいは楽曲を選んだりしているうちに、なんとなく今の自分がやりたかったことはこういうことなのかなと気づいてきました。初めから『サイレントマジョリティー』での、笑顔がないアイドルを作ろうと思ったわけではないんです。

style.nikkei.com

 

上記のように「欅坂46」はプロットとして現在のスタイルが取られていた訳ではなく、彼女たちの存在に似合ったプロデュースをしていった結果が現在のスタイルとのこと。

 

アイドルにとってコンセプトは非常に重要だ。「奇を狙った売りがないアイドルは埋没していってしまう」なんて言われるほど、現在のアイドル業界は飽和状態が続いている。

 

だが、秋元氏のプロデュースするような結成初期から注目を集められる「大手アイドル」であれば、本来そんな飛び道具など使う必要はない。常に王道的なスタイルを貫いていれば注目度の高さから自ずと結果もついてくるはず。なぜ「AKBG」や「乃木坂46」の成功事例を抱えながら、今回のような方向性を見出したのだろうか?

 

その辺については完全に想像になってしまうのだが、秋元氏は、自らが作ったアイドルのスタイルに変革を起こそうとしているのではないだろうか?

 

アイドル業界の主権がAKBから乃木坂に動きつつあるとはいえ、根本的スタンスとしては大きく変化したとはいえず、やや停滞気味となっている。そういった状況を打破するため、カウンターカルチャー的な要素を組み込んだアイドル「欅坂46」が必要だったのかもしれない。

4枚のシングルを収めた待望の1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』

【Amazon.co.jp限定】真っ白なものは汚したくなる (通常盤)(コースター(TYPE A)付)

 少女たちの危うさや、不安定な感情を言葉にしたアルバム・タイトル『真っ白なものは汚したくなる』。

 

今作品はデビュー以降にリリースした4枚のシングル曲が収録されており、彼女たちの軌跡を知るにはもってこいの作品となっている。初回限定盤は2タイプ用意されており、ミュージックビデオやメイキング映像、収録曲に違いがある。

 

貧困にあえぐ筆者が購入したのは「通常盤」なので、そちらを中心にレビューさせていただこう。

 

しかしながら、今思えば収録曲数の多い「初回限定TypeA」を購入すべきだったと若干の後悔をしているが、筆者のような一般リスナーがイメージする「欅坂46」の魅力は、「通常盤」でも十分伝わるので問題ない。

 

『真っ白なものは汚したくなる』通常盤収録曲

1.Overture
2.サイレントマジョリティー
3.手を繋いで帰ろうか
4.キミガイナイ
5.世界には愛しかない
6.語るなら未来を…
7.ひらがなけやき
8.二人セゾン
9.制服と太陽
10.誰よりも高く跳べ!
11.大人は信じてくれない
12.不協和音
13.僕たちは付き合っている
14.エキセントリック
15.W-KEYAKIZAKAの詩
16.月曜日の朝、スカートを切られた

 

以上16曲が収録されている。その中から数曲紹介させていただこう。

 

危うい少女達の強い求心力『サイレントマジョリティー』

www.youtube.com

彼女たちのデビュー曲である『サイレントマジョリティー』は、軍政国家を連想させる印象的な衣装とダンス、政治色の強いタイトル設定、大人を疑問視する危うい少女たちの反抗心と、一貫して「お固い」演出が話題となった作品。

 

彼女たちは今曲の方針に沿った演出をした演者でしかないが、その鬼気迫るパフォーマンスはプロデューサーの思惑と見事に合致し、「欅坂46」を危うくも気高いグループとして認知させることに成功している。

大人に対する疑問と反抗心『月曜日の朝、スカートを切られた』

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今アルバムのリードソングとして公開されている 『月曜日の朝、スカートを切られた』。その過激なタイトルが話題となり、賛否が別れる楽曲となっている。

 

作品上の時系列としては『サイレントマジョリティー』へと続く展開となっており、楽曲のコンセプトも同様のものとなっているが、『月曜日の朝、スカートを切られた』の方がより内面的な感情が描写されている印象が強い。

 

『月曜日の朝、スカートを切られた』→自らの取り巻く世界に感じた不信感に対する自問自答。

 

『サイレントマジョリティー』→世界を変えるべく動き出し、大衆に改革を呼びかける発信。

 

 

淡々とした彼女たちの歌唱法も今曲では儚さを感じさせてくれるし、異様な状況に対して動じることなく怒りを堪えるような強い姿が思い浮かぶ。

 

たびたび問題視されるタイトルではあるが、「スカート」を女性の象徴と尊厳として比喩しているならば、作品に深みをもたせる上では必要不可欠なワードだ。なんとなく昭和のフォークソングの危うさを感じるのは筆者だけだろうか? 

気高さすら感じる「平手友梨奈」の存在

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 引用元 欅坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL - YouTube

「欅坂46」に対してはアイドル要素って部分をあまり求めていなかったので、メンバーの名前は調べていないのだが、センターを務める「平手友梨奈」は外すことのできない存在である。

 

彼女の風格すら感じられる気高い姿は、グループのコンセプトにリアリティを与えているといっても過言ではなく、表情ひとつ、いや力強い眼力ひとつで視聴者を世界観に取り込むことに成功してしまったのだ。

 

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引用元 欅坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL - YouTube 

 その存在感の強さから、彼女たちの所属するレコード会社の先輩である伝説のアイドル「山口百恵」の再来とも称されている。

 

リアルタイムの皆さんからすれば、「こんな小娘が」なんて批判をする人も多いと思うが、凛とした瞳の強さと危うさをもつ少女の可憐さは、類似しているのでは・・・なんてことも考えてしまう。それだけ「平手」という存在には特別な魅力があるのだろう。

 

媚びることのない無機質な歌声『エキセントリック』

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 作品タイトル通り『エキセントリック』な展開が際立つ今作。鍵盤の美しい伴奏と無機質な歌声、さらに顔を見せない衝動的なダンスは狂気すら感じさせられ、大手レコード会社の作品として本当にコレでいいのか!?なんて疑問すら感じてしまう。

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 なんかに似てるなーなんて思ったけど、多分「ゲスの極み」なのかな?淡々と言葉を並べメロディアスなサビに進行する展開はゲス極風である。 

アイドルの歴史を感じる多様な楽曲『二人セゾン』

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 謎の言葉「セゾン」がタイトルに組み込まれた今作品。秋元康氏のタイトル選びの奇抜さは結構有名な話らしく、ここ最近の有名所だと『大声ダイヤモンド』などが該当するようだ。

 

そして今回のタイトル『二人セゾン』に用いられている「セゾン」という言葉は、フランス語で「季節」を意味しているとこのこと。という訳で、直訳すると「二人季節」となり、またまた難解なタイトルとなってしまった・・・。

 

その辺に関しては、楽曲を聞いてもらえればタイトルの意味は伝わってくるので割愛させて頂くが、今作の見どころとしては全体的に「アイドル」風味というか、キラキラした感じが薄かった「欅坂46」が見せたアイドルらしさではないだろうか?バックミュージックもアイドルの定番である「爽やか」かつストリングスを交えた「壮大」なものとなっている。

 

とはいえ、やはり「欅坂」。アイドルらしい元気な印象は薄く、どこか儚げで切ない感じが漂っている。

 

最大の魅力は想像力を駆り立てられる『欅坂46』という存在

真っ白なものは汚したくなる (Complete Edition)

正統派アイドルとは似つかわしくないコンセプトで進む彼女たちの存在は興味深いようで、なかには「イギリスのロックカルチャー」を例えに出しているサイトもあった。

 

冷静な目で見れば彼女たちは演者であり、プロデューサーの提案を実演しているだけの存在ではあるが、想像力を駆り立てる彼女たちの無限の可能性は「欅坂46」というグループの最大の魅力なのではないかと筆者は考えている。

 

感受性の強い年齢である「真っ白い」彼女たちが、これからどのような色に染まり成長していくかが楽しみで仕方ない。 

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