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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

「ヤバイTシャツ屋さん」人気の危険性について考えてみた話

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日本経済のバロメーターである日経平均株価がバブル崩壊後の最高値を見事に更新した2017年。

 

オリンピック開催も2020年と間近に迫っており、ますますの経済発展に期待が持たれている。

 

そんな状況を見て「バブルの再来」なんて表現する専門家もいるようだが、長い長いトンネルを抜け、やっと見え始めた希望を素直に喜ぼうではないか。

 

ましてや過去にはバブル崩壊を経験している我が国日本。同じ轍は踏まないはずだ。我々は常に失敗から多くのことを学んでいる。たとえ「ヤバイTシャツ屋さん」が流行ろうとも日本は大丈夫。あれ・・・?「ヤバT」だって?そりゃまずい。バブルの足音が聞こえてきたぞ・・・。

 

目次

バブルを示唆させる「ヤバイTシャツ屋さん」の躍進!!

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皆さん「ヤバイTシャツ屋さん」というバンドが若者の間で大流行している事をご存知ですか?まだご存知でない方は是非とも動画の音源『あつまれパーティーピーポー』をご覧ください。

 

いかがでしたか?真っ当な音楽リスナーの皆様からすれば、理解に苦しむバンドなのではないでしょうか?

 

楽曲としてはストレートな歌詞と演奏をスタンスとしているため、社会への反抗心を直球で伝える“パンク”などに類似している部分もありますが、先のジャンルと比較した場合、今作品からは思想的な芯を感じることはできません。唯一存在しているのは、パリピと呼ばれる人々のライフスタイルに対する“あるあるネタ”だけという恐ろしい事実。

 

仮に彼らが軽音サークルに所属している学生コミックバンドならば、皆様、納得していただけたと思われますが、残念なことに彼らは2016年にユニバーサルミュージックよりメジャーデビューした“プロのバンド”なのです。現実を受け入れられない音楽リスナーの皆さんもいると思いますので、もう一度言います。彼らは音楽で飯を食う、職業アーティスト様なのです。

 

音楽とは常に時代を表すものと昔から言われており、気持ちの暗くなりがちな不況期などには、人々を元気にするため「応援ソング」や「アイドルソング」がヒットするなどの事例が度々見られます。

 

このように音楽とは常に人々の心の拠り所であり、時代を表現する文化の象徴なのです。そのため「ヤバイTシャツ屋さん」という“どうしようもないバンド”にも、人々が求める必要性が存在しているはずなのです。

 

過去にそんな時代があったでしょうか?未来に何の不安も感じず、空っぽの頭に夢を詰め込めた『CHA-LA HEAD-CHA-LA』のような時代。あ・・・1つだけあった。バブル期だ。

快楽型音楽が蔓延する事により社会から危機感が失われる!?

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人気急上昇中のバンド「ヤバイTシャツ屋さん」略して「ヤバT」。彼らのような音楽が若者の間でムーブメントを起こしている状況に対して、筆者のような良識ある音楽リスナーは大変危機感を抱いている。その理由は上の動画『ヤバみ』のライブ映像を見ていただければ 理解できるはずだ・・・。

 

ライブ終盤ということもあり異様な盛り上がりを見せる場内。ダイブやモッシュが巻き起こり、サビや間奏に合わせて会場全体が一体となったようなコール・アンド・レスポンスを行う光景は、ライブの定番であり“お約束”と言ってもいい状況ではあるが、問題はその会場で演奏されている楽曲にある。

 

思わず踊りだしてしまいそうな演奏に、キャッチーかつ多彩なコーラス・ワークが織り交ぜられたメロディ・ライン、オーディエンスとのコール・アンド・レスポンスも行いやすくバンドとの一体感も生まれやすい。ライブの盛り上げ曲としては満点と評価してもよいだろう。

 

しかし、『ヤバみ』でも歌われているようにに、ヤバTの楽曲には「歌詞」に対する深みは一切なく、そこに存在しているモノの言えば、オーディエンスを暴れさせるためだけのサウンドと、SNSで話題となっているような誰しもが知っている“あるあるネタ”だけである。

 

先にも紹介したように音楽とは時代を表すモノであり、今を生きる人々の心模様や考え方と密接にリンクしている。そういった傾向があるからこそ、主流となる音楽は日々変わり続けていのだ。

 

そのため、ヤバTのような実態のない「快楽型音楽」が多くの若年層のリスナーから支持されるという状況には、「楽しければいいんだよ!きっと大丈夫!」というような、油断にも似た楽観的な思考が今後の日本経済を担っていく若者達の間で蔓延している可能性を表している。

 

そういった思考の根源にあるのは、徐々に希望の光が見えてきた日本経済への安堵によるものかもしれないが、上記のような楽観的な若者たちが社会に出た時、バブル経済が再び繰り返さしてしまう危険性があるのではないだろうか?

実は「ヤバイTシャツ屋さん」は日本の未来を守ろうとしていた

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 本日は「ヤバイTシャツ屋さん」というバンドが若者たちの間でムーブメントとなっている現状に対する危機感について、お伝えさせてさせていただいているのだが、こうして記事を書くために改めて彼らの楽曲を確認してみたところ、筆者はヤバTというバンドの本当の存在理由に辿り着いたのだ。

 

もしかして彼らって、日本の未来を守るためにいるのではないか?って事。

 

アルバム『We love Tank-top』や『Galaxy of the Tank-top』を聴いてもらえばわかるように、内容としては、ある種の悪ふざけや学生ノリに近しい雑な印象を受けてしまうが、歌詞を抜いて考えれば、バンドとしての実力はある程度なもので、真面目なバンドとして活動しても、それなりに人気が出そうな感じもする。

 

コンセプトである“あるあるネタ”も歌詞だけではなく、楽曲全体に盛り込まれており、こんなジャンルだったら、こんな感じの曲つくりそうだよね〜みたいな流れで制作されたであろう楽曲は、予想以上に“それっぽく”出来上がっているのだ。アルバム『Galaxy of the Tank-top』に収録されている『Tank-top in your heart』とかが正にそれ。

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いかにも“流行り曲”風のエモーショナルな展開。そんなベタベタの楽曲に「タンクトップ」押しの歌詞、バンド名は「ヤバイTシャツ屋さん」なのに、なんで「タンクトップ」何だよ!!なんて突っ込みをついつい入れたくなってしまうが、それを言ってしまったら相手の思うツボ。

 

そういった洞察力や楽曲にイメージを反映することの出来る再現力やセンスをを改めて理解すると、彼らは意図的に“悪ふざけ”している事は明白である。優れた実力を隠しながらも、自らが笑われる事に喜びを感じる姿は、サーカス1の実力者とも呼声高い“ピエロ”のような存在でもある。

 

少しばかり買い被り過ぎてしまっている気もするが、下らないと思っていた“あるあるネタ”の歌詞も、「ありがちな有象無象な人間にはなるなよ」、という「風刺的」な意味合いを持ち合わしているのではないだろうか?

 

彼らという存在が「バブルの予兆を示唆」させる者なのか、ヤバTというバンドの人気事態が「物珍しさによる期待値だけで膨れ上がった泡」のようなの物なのかは今はわからないが、バカなコミックバンドに思われがちな「ヤバイTシャツ屋さん」というバンドの本当のメッセージ性に、一人でも多くの若者達が気がつけるようなれば、日本の未来は明るいはずだ。

 

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