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独身貴族「カルさん」が音楽やアーティストについて独断と偏見で書きなぐっているブログ「カルチャータイム」です。否定も肯定も全てはアーティストへの愛を根底としています。

ONE OK ROCK 困難の先にあった成長『Nicheシンドローム』を紹介<アルバム・レビュー>

本日は“one ok rock”の4thアルバム「Niche(ニッチ)シンドローム」を今更ながら紹介したいと思う。常に成長し続ける彼らの軌跡を今一度振り返ってみよう。

 

目次

Nicheシンドローム 

メンバーの脱退、バンドの活動休止を経たからこそ出来た成長

 

前作「感情エフェクト」から、1年7ヶ月ぶりの新作となる「Nicheシンドローム」。

 

デビュー以来、躍進し続けていたone ok rockだったが、ギターを担当していたALEXの不祥事によりバンド活動は休止となり、開催中だった全国ツアーも同時に中断となる。デビュー2年目にして、またしても大きな壁が彼らに前に立ちはだかったのだ。

 

その後、ギターのALEXはバンドを脱退し、one ok rockは5ヶ月間の休止期間を設け、バンド活動と全国ツアーを再開する。

 

結成当初より5人で活動していたワンオクにとって、リード・ギターを担当していたALEXの脱退の影響は大きく、今後4人で活動していくためには、メンバー個々の「成長」が必要だと、彼らに痛感させるキッカケにもなった出来事である。

 

そういった事情もあり、one ok rockのハイペースの楽曲リリースは「鈍化」してしまったが、逆にそういった経験があったからこそ、今作の「Nicheシンドローム」では、バンドとしての意識やサウンド面に対する「明確な進化」が見られたのだろう。

 

 

 

収録曲

1. Introduction

2. Never Let This Go

3. 完全感覚Dreamer(4thシングル)

4. 混雑コミュニケーション

5. Yes I am

6. Shake it down

7. じぶんROCK (TSUTAYA限定としてレンタル開始)

8. Liar     (今作のリードトラック)

9. Wherever you are (2016年NTTドコモのCMソング)

10. Riot!!!

11. アダルトスーツ

12. 未完成交響曲

13. Nobody’s Home

 

より強固となった絆が生み出すエネルギーに満ち溢れた名盤「Nicheシンドローム」

 

Takaさん(@10969taka)が投稿した写真 -

 今作「Nicheシンドローム」では、メンバーの脱退などサウンド面の条件が悪い状況にも関わらず、過去最高の「爽快感」と「ダイナミクス」を感じさせてくれる作品となっている。それらは、改めてバンドと向き合ったメンバーの確固なる決意と、成長があったからこそ作り上げることの出来たサウンドだと思われる。特に個々の持ち味が最大まで活かされたグループ感は、「綺麗にまとめられた」過去3作品とは違う、躍動感のあるエネルギッシュなものとなっている。

 

① 「Introduction」のイントロ曲から②「Never Let This Go」へ繋がる流れは「お決まり」ではあるが、聴く者を一瞬にして世界観に引きこむ圧倒的なパワーを持っている。まさに鳥肌ものである。

 

そしてシングル曲である③「完全感覚Dreamer」では完全に殻を破ったONE OK ROCKを感じさせてくれる。よりパワフルになったTAKAの歌唱力には注目だ。デビュー当時からTAKAの歌唱力の高さには定評があったのだが、無難にまとまった印象もまた強かった。しかし、今作では全体を通してエネルギッシュな爆発力を感じさせてくれる。メンバーの脱退に伴うサウンド面の薄さを補うため、骨太な進行が多い今作に相応しい厚みのある力強い歌声である。

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 ④ 混雑コミュニケーションの歌詞に含まれている「1988年」は、TAKAの産まれた西暦である。自らの人生を衝動的な歌詞に乗せた軽快なナンバー。

 

穏やかな歌いまわしが印象的な⑤「 Yes I am」。常に前進を続けるONE OK ROCKらしいポジティブソングとなっている。ストレートなロックナンバーの⑥「Shake it down」では、⑤とは打って変わって吐き捨てるような歌いまわしと攻撃的なサウンド魅力である。そして、その攻撃性は⑦「じぶんROCK」に続いて行く。

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先行配信された⑦では、様々な難関を乗り越え完成させた今作への彼らの思いが集約されている。そして続くリード曲⑧Liarでは、偽りな世界に対する感情を爆発させるのだ。そういった危うさもワンオクの魅力であり、若者たちの心を強く掴むことに繋がっているのだ。

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2016年にTVCMに起用され再評価を受けた⑨「Wherever you are」では美しくも切ないラブ・バラードを聞かせてくれる。しっとりとした⑨とは真逆に位置する⑩「Riot!!!」。ワンオクらしい跳ねるような軽快なナンバーとなっている。そして今作「Nicheシンドローム」も終盤戦に差し掛かる。

 

⑪アダルトスーツ「大人」になることに対する彼らなりの疑問点が見事に表現されたメッセージソング。続く⑫未完成交響曲では、大人になりきれない自らの現状に対する自問自答が歌われている。⑪から⑫の流れは絶妙な順番で収録されているなと、聞くたび感心させられる。

 

そして、個人的なオススメ曲⑬「Nobody’s Home」で今作の幕は下ろされる。家族の想いを込めた楽曲は、今作を締めくくるに相応しい泣きの一曲だ。

 

 

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